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昨日「新曲浦島」について書いたのでそのつづき 新曲浦島は明治39年に作詞坪内逍遙、作曲5杵屋勘五郎で長唄としては割と新しい曲です。 坪内博士は日本にも西洋のオペラに匹敵するものを作ろうと「新楽劇論」を提唱、同時にそのサンプルとしてこの新曲浦島を発表、曲を長唄、富本などで構成しようとしましたがあまりに壮大な構想のため実現しませんでした。 この長唄新曲浦島はその楽劇の序曲に当たるもので、歌詞が名文で作曲もまた良くできているため、これだけが今に残って長唄の屈指の流行曲になっています。 序曲ですから渺々たる大海原の情景を描写し浦島さんも亀さんも出てきません。 三味線は転調がおおくなかに六下がりという珍しい調子も入り難しいです。 唄も三味線も聴かせどころが多く演奏しても聴いても気分のいい曲です。 終わりの方に無伴奏で唄う舟歌は唄のハイライトで無伴奏だけに唄い手の個性が出て興味津々です。 この唄を得意にしていたのが松永和風師で、和風師は昭和初期の名人で鉄道員から長唄人に転じました。昔はこういうふうに外からこの世界に入って一流の立て唄になった方も多く、それだけ三味線音楽の底辺が広かったともいえます。 和風師のレコードは多く残っていますし、六代目菊五郎の鏡獅子の映画で長唄を唄っているのも和風師です。 今の長唄とはちょっと変わった古風なものですが天衣無縫の飄々たる唄い方はすばらしいものです。CDもあるはず是非一聴をおすすめします。 私の先輩の女性で風邪を引いたらこの和風さんの新曲浦島を聴くと良くなると言う人がいました。たしかにそういう効き目もあるみたいです。 |
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