直隠居の余噺日記

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zoom RSS 福助の「切られお富」(歌舞伎座夜の部)

<<   作成日時 : 2007/01/07 23:06   >>

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 福助の「切られお富」が見たくて、歌舞伎座夜の部に行きました。福助も初役ですが、私もはじめて見る芝居です。
 幕末の女形3世澤村田之助のため河竹黙阿弥が元治元年(1864)書いた芝居です。三人吉三、白波五人男など、黙阿弥がもっとも脂ののっていた時期です。

あらすじ
浪人井筒与三郎は主家の重宝北斗丸を尋ねているうちお富と出会いいい仲になるがお富は絹問屋(実は盗賊観音久次)の赤間源左衛門の妾で源左衛門からなぶり殺しの折檻を受ける。死体の処置をさせられた蝙蝠安はお富がまだ息のあるのを知り葛籠にいれて逐電する。一年後お富は蝙蝠安と夫婦になってさった峠で茶屋をしている。来かかった与三郎、互いに身の上を語り与三郎が尋ねる刀が道具屋にあり二〇〇両の金が必要と聞き、最前駕篭かきの話にあった赤間屋という女郎屋が赤間源左衛門の今の姿と悟り、これを強請って金を作ろうと蝙蝠安を連れ、赤間屋へ乗り込み二〇〇両をせしめるが、持ち逃げしようとした蝙蝠安を殺して、与三郎へ金を届ける。

 まぁおおざっぱに言えばこんなところですが、役名を見てもわかるように「世話情浮名横櫛」の書き換えという趣向です。
 田之助は美貌で謳われた女形でしたが、脱疽の為手足を切断それでも執念で舞台を勤めましたが34歳でなくなりました。
 お富は、田之助以後田圃の太夫といわれた4世澤村源之助、6世梅幸、3世時蔵を経て最近では9世宗十郎の専売みたいになっていました。なかなか誰でも出来るといった役ではありません。初役ですが福助はこういう役柄がぴったりです。
だいたい品の良いお姫様よりこういう悪婆という役が似合います。土手のお六 桜姫、悪婆とは言えないけれど美代吉(名月八幡祭り)お峰(牡丹灯籠)など根性の悪い女がうまいです。(福助が根性が悪いといっている訳じゃありませんよ)。

 強請の場では「ここでおまえに会おうとはお釈迦さまでもご存じあるめぇよ」とか「かまどの下
の灰までももらうのさ」などどこかで聞いたような台詞もあってたのしい。
 安を手に掛ける畜生塚の場では太縞の浴衣に洗い髪、出刃包丁を逆手にすっくと立った姿はまことにカッコイイ!
 長い芝居なのでだいぶワキの筋は省略してあるようですが、序幕の橋之助との色模様が色っぽい。橋之助がわりとさっぱりした芸風なので品の良い濡れ場になっています。
ここの独吟がよく雰囲気を盛り上げます。
一転赤間源左衛門の責めは残酷で幕末の退廃的な好みがよく現れています。
 
 普通は二幕目さった峠の茶屋からやることが多いようですが序幕の赤間妾宅からやればき
れいなお富もみられ、なぶり切りにされるSMショーもあり、筋もよく通ります。
 赤間源左衛門は歌六でこれがなかなかいい。悪がよく利いています。
 安は弥十郎、この安は「切られ与左」の安と違って、もとの親分に強請を掛け、ゆすり取った200両を横取りしようとする太い奴ですが、あくまでも赤間の元子分という感じで安手にやっているところがいいです。
夜の部はあと大顔合わせの「金閣寺」勘三郎の「鏡獅子」雀右衛門ご出演の「廓三番叟」などあっておトクですが、それらにつては別に書きます。

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
naojiro様、お久しぶりです。
感想が書けたのでトラバしてみたのですが…やっぱり失敗しました。トホホ。
「切られお富」は楽しかった!
何もかも「惚れた男の為」っていうのに胸キュンです。そこが「切られ与三」と違うところさ!(笑)
物語の前後も上演してくれるともっとヨカッタのにぃ。いつか観たいです!
かしまし娘
URL
2007/01/26 08:01

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