直隠居の余噺日記

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zoom RSS 大老(国立劇場10月)

<<   作成日時 : 2008/10/15 22:39   >>

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 今月の国立は吉右衛門の「大老」です。白鸚 歌右衛門がよくやった「井伊大老」は雛祭りの前夜、愛妾お静の方と亡くなった姫を偲び、埋もれ木舎の頃からの愛情を確かめ会い、明日に迫る暗殺の予感を感じさせる仙英禅師の笠など、華やかな雛飾りの前のお互いの気持ちの通い合いをしみじみとみせる、北条秀司屈指の名作と言っていいでっしょう。
 白鸚のいかにも大老と言った風格、歌右衛門の一途に直弼に寄せる思いの可愛らしさ、あまり感動したのでその前後やあといろいろな役者の舞台などあまり記憶にありません。

 北条秀司はこれに無名時代の埋もれ木舎でのお静と部屋済みの直弼との日々、長野主膳との出会い、兄の跡を継いで幕閣に入り日米修好条約や各国との交渉、無理解な朝廷や過激な水戸斉昭との対立などから無勅許で条約を締結してしまうといろいろ書き加えて大きな幕末のうねりを書き、直弼の心の揺らめき苦衷をなり盛り込んで「大老」を書きました。。見応えはありますが、そのため相当長いです.。
 でもやはりおなじみの雛祭り前夜の場面が吉右衛門の直弼 魁春のお静、段四郎の仙英禅師と配役もよく感動する舞台です。
 一緒に見たのは高校以来の観劇友達H君ですが、さすがの彼も「あれこんなところあったかな」「あここは見た覚えがある」「水無瀬六臣は出ないのか」(六臣とは井伊大老のほうで直弼の暗殺をくわだてるが直弼の真意を知り己を恥じて自害する)とやはり「大老」「と「井伊大老」がごっちゃになって混乱していたようです。(そりゃ年齢のせいだよ)

 序幕の彦根埋もれ木舎の場はまだ部屋住みの直弼が自ら豆腐を買いに行くようなお静とのつましい暮らしぶりと仙英禅師に自分の心境を訴え、励まされたり、少壮の国学者長野主膳との出会いなど後につながるので面白い場です。
 ここと雛祭り前夜が良いというのは、魁春のお静がとてもいいからです。北条の戯曲によくある一途で可愛い女です。

 三幕目井伊家上屋敷広庭の場は条約の成立を祝ってハリス、ヒューストンなどを招いての祝宴ですが、ここで能舞台で正室昌子の方(芝雀)が余興になんと「娘道成寺」を踊るのにはビックリしました。老中をつとめる大名のご正室が余興、それもお能か仕舞いならともかく、下々の娘たちがたしなむ日本舞踊をやるとはね。
 ほんとに北条秀司の脚本にあるのでしょうか、それとも演出上の工夫でしょうか。(途中、引き抜きをやって舞台上の外人たちがオーッと感嘆するところがあります)これを見せたかったのかねー。とにかくここは???でした。
 それにしても11時から4時半までは疲れました。うちへ帰ったら熱がでました。高齢者、体調の悪い方、睡眠不足のかたはご注意。

PS(10/18)
気になって図書館で北条秀司の戯曲「大老」を読んでみました。 ありました!
「正室昌子のかた日本娘の姿で汐汲を踊る」とかいてありました。北条氏はなぜこういうことを書いたのか?国立の演出者はそれをおかしいとおもわなかったのか。演目をなぜ「娘道成寺」にかえたのか(引き抜きが派手だったからか)それともおかしいというわたしの思いこみが間違っているのか?考えると寝られなくなりそう(もっともあんまり深く考えないですけどね)

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
naojiro様、こんにちわ♪
昌子の方の舞について興味深く拝読しました。なるほど…。
「井伊大老」を3年前に歌舞伎座で体験してから、
全体を観れる日が来るのを心待ちにしていたのですが、
まさかこんなに早く実現するとは♪あ、これでもカットされているんですよね。
吉右衛門一座の重厚でいぶし銀な芝居に、グデングデンに酔ってしまいました。
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北条秀司の「佃の渡し」をBSで観ました。めっちゃステキでした。
感想UPは近日予定です。もしヨカッタら覗きに来て下さい♪
かしまし娘
URL
2008/10/29 12:41

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