雀右衛門襲名「金閣寺」

今月の歌舞伎座は芝雀の5代目雀右衛門襲名興行です。

 夜の部の「金閣寺」が幸四郎、仁左衛門を相手役に新雀右衛門が大健闘です。
障子を開けて登場するところからお父さんを彷彿とさせるような雪姫でした。
 芝雀がこうなるとは襲名というモノは恐ろしいモノですね。
 だいたいこの金閣寺は役者が揃うこと舞台がはでなこと、それに芝居の面白さから、襲名狂言には良く出ます。
 naojiroのみただけでも、6代目歌右衛門の襲名、先代雀右衛門、9代目福助、2代目魁春と女形にとっては襲名はコレっと決まっているみたいです。
 昔の「金閣寺」については前にブログに書いてあるので検索してください。

 仁左衛門の東吉が面白く、碁を打っているときのムダ口の応酬、井戸に放り込んだ碁笥(碁石入れ)をとるために雨樋をハズして滝の水を井戸に注ぐとき雨樋から水色の布が井戸の中に入って水を注いでいるところがよくわかる、など工夫しています。

 立女形を目指す魁春とのデッドヒートは先日にみた名古屋女子マラソンの田中、小原の競り合いを思わせるようです。ここに福助が入っての三つどもえになれば良かったのに、福助の欠場は誠に残念。
 舞台がセリ下がって、大膳に幽閉されている慶春院は坂田藤十郎、前将軍の未亡人ですが台詞もあまりなく派手が見せ場もない役を藤十郎が貫禄で見せます。
 この役は福助襲名の時は歌右衛門、いつも超一流の役者がやるところが襲名狂言の醍醐味ですね。
 雪姫が大膳にいびられて「さてこれからは、布団の上の極楽責めウヒヒ」というところ高校生の私は変に興奮しました。今はぜんぜん興奮しませんけど。
画像

 
付録
金閣寺(歌舞伎と囲碁)

<< 作成日時 : 2007/01/09 21:40 >>

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 歌舞伎座夜の部では「金閣寺」も上演されています。
 今回の金閣寺の見どころはなんと言っても幸四郎、吉右衛門、玉三郎の大顔合わせです。それに正清に左團次という贅沢さです。このメンバーで「新薄雪物語」を見てみたいですね。(幸の幸崎、吉の園部、玉の梅の方)

 今まで見た中では昭和26年6代目歌右衛門襲名の金閣寺で、大膳に8幸四郎(白鸚)東吉に初吉右衛門という舞台でした。そういえば今の福助の襲名も雪姫で慶春院を歌右衛門がつとめ新福助の門出に花を添えたのが印象に残っています。

“金閣寺”に将軍の母を人質にして、弟の鬼藤太相手に悠々と碁を打つのは<妹背山>の入鹿と並ぶ歌舞伎の大悪人・松永大膳。さてそのところに仕官を求めてやってきた小田の家臣・此下東吉。大膳は東吉に碁の相手を命じ、二人は対局します。碁に事寄せてハラのさぐり合い。
大膳「この大膳が後陣の備え、続く碁勢は」
東吉「あるともあるとも有馬山、いなの笹原足つくよ」
大膳「ついたら大事かとってくりょ」
東吉「取るとは吉左右、天下取る」
大膳「国を取ろうか とろろ汁」
う~ん・・・駄洒落混じりで、碁を打つ態度としてはあまり感心しませんね。

とどのつまり大膳は負けてかんしゃくを起こし、碁盤をひっくり返し碁笥(ごけ 碁石の入れ物)を井戸に投げ入れ手をぬらさずに取ってこいと無理難題。
 東吉は滝の水を井戸に流し入れ浮き上がってきた碁笥を取り、ひっくり返した碁盤の中央に据え小田の首実検になぞらえその機知に大膳はおおいに気に入る、といった筋立て。このようになかなかうまく碁を取り入れているところが、碁好きの私にとって嬉しく、好きな狂言のひとつに数えられるのです。

 團十郎が右之助の鬼藤太を相手に大膳をした時には幕見で拝見したのですが、なんとなく気になって双眼鏡で手元を見ていたらちゃんとした布石を打っていました。(團十郎は役者のうちでも碁好きで知られています。)今回は一階で見たので碁盤の上は見られませんでした。

 碁の歴史は古く正倉院御物の『木面紫檀棊局』(もくえしたんのききょく)は紫檀の碁盤に象牙を埋め込んだ升目の線、石は象牙を朱と青に染め筋彫りで鳥の模様を描いたという材料も手間も贅を尽くして正倉院展で見るたびにため息がでます。

 『源氏物語』にも女房が囲碁で遊ぶ様子が書かれています。
 碁盤の方形は地を象り石の並びは天文を表す、上に帝王の治あり下に戦国のことありと言われ、武将が囲碁をたしなむのもむべなるかな。ですが、さらにその下に遊戯としての囲碁ありといわれ、われわれ凡人はそこらへんで遊んでいます





 

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